マイルドヤンキーにストーキングされていました
鈴木大介著、「最貧困女子」読了。
- 作者: 鈴木大介
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2014/09/27
- メディア: 新書
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これで彼の著書はすべて読み終わった。
彼の著作である「ギャングース」を愛読していた男から、私はずっとストーキングを受けていた。彼はいわゆるマイルドヤンキー。低学歴低所得者の期間工だった。休みはイオンにでかけ、毎日プレステに興じる。すこしオタク気味だが、とても頭が悪く、オタクの会話には入れず、本物のヤンキーからは相手にされない、居場所のない憐れな人。
これは彼の精神構造を探る旅だ。
彼のストーキングはネット上での自宅公開、実況中継から仕事場へも及んだ。その他Twitterなどでのありもしない妄想や名誉棄損、勤務先へのいたずら電話、そんなところだ。当時、取引のあった会社は彼が私の仕事内容を知らずに電話をしてくるので、その話があまりにも知的ではないのでスピーカーで社内に流して爆笑していたという。
だが、そのときは守秘義務のある金融関係の仕事を請け負っていたので、依頼主は急遽別の人を当たらなければならなかった。私もその仕事から離れてなくてはならなくなった。
彼の世界ではきっと私の仕事の全貌がどんなふうに回っているか、世界がどうやってお金をやりとりしているのかさえ理解できないだろう。
彼はいわゆる低学歴低所得者で、誰からも顧みられない人生を送っていた。それがネット環境を手に入れて自我が増大、鈴木大介を代表とする弱者救済記事を読んで勘違いしてしまったらしい。
彼40歳。幼い頃に両親から棄てられ、施設で育ち、中卒で出所しその後はグレ人生。ヤクザの下働きのチンピラのさらに下の下働きをしていたという。生活保護のシステムさえ知らず、食うや食わずの毎日だったそうだ。
そのくせ空手を習う時間と金はあったらしい。謎だ。
私なら武道をやっているなら確実にそれをお金に換えてしまうのだが、彼はそうはしなかった。いわゆる、実戦(ストリートファイト)に出ていない空手家なのだ。それは空手家としては当たり前なのだろうが世界は本音と建て前でできている。つまり男同士での喧嘩をしたことがない、という証だ。
そのくせ、オタクたちの前ではものを壊し、施設の壁を壊し、脅し、暴れる。まったく困った奴だ。
彼と交流があったときに彼がしきりに「世間が俺たち弱者を食い物にした」と言っていた。彼は鈴木大介教ともいうべき「可哀想な俺たち教」に入信してしまったのだ。
ひとつ言っておかなくてはいけないのは、児童養護施設出身者がこういう困った人だけではないということだ。ほとんどの人は真面目に進学して自分の生活を充実させていることだろう。
だからいっそう彼の存在は罪だ。彼がいるために養護施設出身者への差別は永遠に続く。
彼は写真家になりたかったようだ。しかし、この世界はとても厳しい。当たり前だが芸術的センスには成長の上で臨界点があり、その時までに専門教育を受けないと芽が出ない。年を取ってからピアノをはじめたのでは、ショパンコンクールに出てくるようなピアニストになれないのは想像に難くない。彼のように世界から見捨てられてグレたヤンキーにはそもそも絶対に備わらない能力なのだ。
だから人を妬む。猜む。
世間のプロは彼がタバコを吸い、駅前でウンコ座りして道行く人を睨んでいる時に、デッサンを習い、クロッキー帳に絵を描きまくっていた。それを40近くになってからやりはじめ、上手く行かない、と周囲に当たり散らしたってしょうがないことなのに。
彼が勉強ができず、中卒で、満足な仕事にありつけず、才能もなく、周囲から馬鹿にされるのを、世間が自分たちを無視した結果だと、俺は悪くないのだ、と、叫ぶ。
いや、悪いのはあなたですよ、と。
ぶっちゃけると、本気でやるなら高校受験の勉強は3週間で取り戻せる。まったくサラの状態からで3週間。大学受験も、高卒認定レベルなら3ヶ月だ。中卒で逃げたアホンダラが、大人になって高卒資格が欲しくなり、頑張って取りました!という記事を投げているツイートに対して、おめでとう、とか、がんばったね、という声かけを見るが、世間一般の連中と一緒に進学しなかった奴に何を言うか。
調子に乗せるんじゃねえ。
そもそもそういう子はこうやって将来、他人様にご迷惑をおかけするから親が嫌がって捨てたんじゃないのか、と思う。親だって人間なんだから、「こいつ将来サイコパスだから縁切ろうね」と思って棄てる可能性、あるだろ。少なくとも頭が悪くて棄てられた奴は知りあいに存在したから、そういう両親はいるよ。
じつは私もこの低学歴低所得者層に落ちそうだったことはある。
割り算のたすき掛けが出てきた時に風邪で欠席。以降、何回説明を聞いても意味がわからず、その後8ヶ月近くわからないまま小学校時代を過ごした。単元はどんどん進むがまったく意味がわからない。これは詰んだ、と子供心に思った。
ある日親戚のお兄さんが来たときに割り算の話となり、実はわからないんだ、と話したら教えてくれて事なきを得た。父や母にはそんなこと言えなかった。割り算がわからないなんて、クラスの馬鹿グループでもやっている割り算がわからないなんて、口が裂けても言えなかった。
以来、数学は先輩から教科書と問題集をもらい、何年か分を先取りして学習するようになった。高三の12月で微積分がわからないのは人生終了だが、中二でわからないのはアリだろう。
自主学習の習慣はこのような恐怖とともに身についた。
私は学習塾の類はいっさい通ってなかった。それは両親の事業が不安定で、塾に行くお金さえ危うかったのだ。
だってうちは祖母も父もみんなで株やってるんだもん。
あんなのちょっとカッコイイだけのギャンブルじゃないか。
そのうえ学校は校内暴力で荒れに荒れ、冬は廊下のガラスが全部割られていて、教室に子猫を持ち込んだ女生徒がいたり、灯油をシンナーの代わりに吸ってた馬鹿が引火事故を起こしたりして、授業が成立しなかった。
だから進学を考えている生徒は不登校になっていた。
幸いな事に私はこの日以来数学は模試ではなんとか県内一桁(100点が100人以上いて99点では150位ぐらいになることもあったけど)で居続けられたので、「数学ができれば物理できるだろうし物理できると化学もできる」とばかりに国立(帝大系)の理系の大学に進学した。
今でも数学で苦労したことは頭に焼き付いているので、理数の家庭教師だったり予備校の講師をすることはある。
まー、金額的にも大学受験とか高校受験の家庭教師って、売春に似ているな、とは思う。2時間8000〜1万円。週2回出勤、みたいな。
トップクラスを走ってる子でもちょっとしたことで底辺に転落するし、必ずしも塾に行ってるからといい大学に入れるとは限らない。教育は、やはりお金のかかることではある。自分のケースは限りなく裏口のほうだろうがそういう環境で自主学習を身に着けて、プロ家庭教師として高額なバイト料を稼いでいた奴はいっぱいいる。むしろ、真面目にやってきた学生より不登校期間の長い学生の方が教え方は上手いし家庭教師や予備校講師に向いていた。事情をよく知っている母親は、あからさまに不登校経験のある家庭教師を指名していた。
学校はぶっちゃけ行かなくたってどうにかなる。むしろ行かない子の方が成績がいい。たぶん普通の高校ではわからないのだろうけど、高三の10月ぐらいから進学校の生徒は学校を休んで東京の予備校に通う。もしくは受験科目にフォーカスして自宅学習をする。医学部なら英語、数学、物理、化学の四教科に注力しなければならない。
自主学習の習慣なんて簡単に身につくし、学校にも塾にも行かなくてもいい。それでも貧困を理由に低学歴でいる人ってどういうつもりなんですかね?
遺伝だ、という人もいる。遺伝で生まれつき学力が低い。そういう人もいるでしょう。
ちなみに私は小学校入学時の知能テストでIQが75。「ゆくゆくは特殊学級編入の可能性も視野に入れてくれ」と言われて母は泣いたそうだ。それでも12年後は地方の帝大系ですわ。
自己責任だよ。何もかも自己責任。
三日、公園の水道の水で過ごさなくちゃならなくなったら誰でも不良になる?ハァ?私は子供の時から「まんがいち、子供一人で生きて行かなくちゃならなくなったら福祉の手を頼れ、そのために税金納めてるんだから」と聞かされて育ったけど?
からだが弱い不良の方々(不幸にして生まれながらに重い病を背負った「体が弱い方」ではない。親の不摂生で虚弱体質になり、自分でも節制できない馬鹿)とか、親に棄てられたとか、そういう人は、そもそも選別されて死ぬ運命にあったのだと思う。今は医学が発達してみんな命を永らえてしまったのだが、そもそもは死ぬ運命。いついなくなっても構わない人なのだ。
こういう「死ぬはずの人」が他人様に迷惑をまき散らす。なぜなら彼らは生きながにして鬼界の住人で、現世にいる人に厄を押しつけることが仕事だからだ。
そんな人たちに手を貸してはならない。彼らの背負った因果に荷担することは自分もその因果のなかに組み込まれてしまう。
だから、こういう人にもっともふさわしい場所に送り込むべきだ。銃を持たせて海外に送り出す以外に、今は最優先でなんとかしなければならない場所が存在する。
福島第一原発だ。
彼らは理科を理解しないので、当然物質の成り立ちや放射能についても知らない。彼らの世界には放射能は存在しない。驚くべき事に、目に見えないものすべてを信じないと言い切る人もいる。
電波も、電気も、低周波も、ガンマ線も、紫外線も存在しない。それはその人が途方もないアホだったから。
そういう人には、
「ちょっと日焼けっぽくなるけど日焼け止めを塗れば大丈夫だから」
そう言って炉心の超高濃度汚染水のくみ上げ作業をさせればいい。半日ぐらいは生きているだろう。
可哀想でもなんでもない。死ぬべき命を生きながらえさせた業だ。