メティスについて都合のいい嘘を書くのはやめたまえ
こんな生地見たことあんだろ。
これはメティスと言って綿と麻の混紡だ。
縦糸に綿、横糸に麻だっけな。とりあえず混じってる。
こうやってメティスであることを主張している布ならまだマシだが、シーツなどになっちまった場合この部分が切られたりして隠されているので注意しよう。
メティスにはリネンシーツのよい部分はほとんどないので買う必要ありません!
アンティークの相場でもメティスかも、って品は三分の一〜四分の一ぐらいの価格になる。
だってメティスって乾かないし、繊維として弱いからね……。
裂けるときは綿の繊維が裂けます。ジーパンみたいにね。
シーツで洗いがかかっていて毛羽がないすごくいいものだとなんだかキュプラっぽかったりする。だけどそれはいい奴なのだよ。
で、これを国内の糞業者は「いいものの証です」というすごい寝言を言って売ってる。かつて、フルールブルーというシールがあって、それはいいリネンにつけられていた。しかし、メティスが幅をきかせるようになって、メティスでもマシなものに与えられる称号ということになった。
転じて、メティスの証となったわけだ。
国内の糞業者ほんと死ねって思う。
メティスとリネンの区別がつかず、「メティスまたはリネン」って書いているキチガイいるでしょ。そいつの在庫、ほとんどメティスだからね。
「麻って思ったほど涼しくない」って思ったらメティスを疑え。
メティスとリネンの見分け方?触ってしらべれば?ぶっちゃけそれしかないんだよ。こういう触覚は若いうちからいいものに触れて磨かなくちゃならない。最近のワープアの馬鹿娘がユニクロだけ着てて、いきなりこういうものを集めたいと思っても駄目です。
人間の感覚器官というのは磨ける時期があるねん。その時期に磨かないと一生身に着けられない感覚があるんだわ。
触覚はそのひとつです。
小学校の給食に有名シェフが携ったりしているだろ?あれも同じで、30からグルメ気取ろうとしても駄目なんだよ。もう味覚に関する神経細胞ができあがってるから。
今、アラサーでこれからアンティークやろう、って人で、貧しかった人、今生は貧乏人としてジャージだけ着て過ごし、来世でやってください。
それからアンティークリネンをこうやって染めているものがよく売られていると思う。そもそも麻は染色堅牢性という、染めたものを洗って染めが落ちるかどうかという性質があるんだがそれが弱い。だから汚れが着きにくいと言える。
それにこういうものを染める際、大きな鍋に熱湯を湧かして染料と布を入れて混ぜて定着をさせる。麻にはペクチンという物質が含まれていて60度ぐらいでこのペクチンが変性してしまう。つまり染めたものは煮洗いをしたものと同じ。
大枚はたいて買ったものの、汗掻いたら体が変色し、洗ったら洗い水が変色して移染が起こり、対して涼しくもなくがさがさしているだけのでっかいシーツが欲しかったら、それ買えば?